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投稿日
2018年11月24日

『2019年問題』とは何か? 下がり続ける売電価格と、上がり続ける電気料金を同時に対策する「自家消費」で、より良い太陽光発電ライフを!

2019年問題とは何か

2009年にFIT法の前身となる売電制度「余剰電力買取制度」がスタートしました。

現在この制度によって、国が電力会社に対し、太陽光発電によって発電された余剰電力を買い取ることを義務付けています。

しかし、余剰電力買取制度における売電期間は10年間との制限があるため、制度開始から10年目となる来年2019年には初めて「売電期間の満了」を迎える設置者が多く出てきます

この「期間満了後も売電できるのか?」との問題について、太陽光発電業界では「2019年問題」と呼ばれています。


売電価格はこれからも下がり続ける

では、2019年問題とは一体何が問題なのでしょうか。

2009年~2015年に設置された方は、当初、10年後は売電が24円/kwになると想定されていました。
ですが、実際のところは売電価格が11円/kwになるとの発表が経済産業省からありました。
つまり、この2009年11月~2015年1月の間に10kW未満の住宅用太陽光発電システムを契約した方は、当初のシミュレーションと比べて11年目以降の収支が悪くなるということです。

ただ根底の問題は、設置した時期に関わらず全ての太陽光発電が10年後には売電単価が下がるため、その後の運用を考える必要が出てくるということ。

この問題が解決できれば、今後、太陽光業界の新たな未来が開けてきます。


2019年問題を解決するための2つの選択肢

では、どのようにしてこの問題を解決すればいいのでしょうか。
そのためには、主に2つの方法があります。


選択肢1 電気の自家消費が有効

売電価格下落を軽減する方法として有効なのが電気の自家消費です。
売電できる余剰分の電力も、自家消費すれば当然ながら売電価格下落の影響を受けません。

売電価格は下がり続けているのにも関わらず、一般家庭の電気代は上昇傾向にありますので(前回の記事『毎月の電気代、いくら払ってますか? 電気料金はなぜ高くなるのか、その仕組みと内訳を解説!』で詳しく紹介しています)、電気代の削減=買う電気そのものの削減は今後も大きな課題となってきます。

自家消費割合を増やすための方策としては、以下の3つが挙げられます。
  • 蓄電地の導入
  • エコキュートの昼間利用
  • 電気自動車への充電

ZEH(ゼロエネルギーハウス)関連として、蓄電地も国の補助金の対象となります。
今後、蓄電池やエコキュート市場か加熱していくことが予想されます。

また、電気の自家消費は電気代の削減だけでなく、非常時・災害用としても注目されています。
太陽光発電協会(JPEA)のアンケート調査によると、2018年9月の北海道大停電では太陽光発電ユーザーの85%が自立運転を活用したとのことです。


<参考ニュース記事>
北海道地震による大停電、85%の住宅太陽光ユーザーが自立運転を活用』(スマートジャパン,2018/10/30)


選択肢2 新電力への売電・新たな売電市場の登場

東京電力をはじめ、大手電力会社の一部は、余剰電力の将来に向けて動き出しています。

特にいくつもの電力会社が乗り出しているのは、ユーザー同士で直接電気を売買できる仕組みの構築です。
ユーザー同士の直接売買は、ブロックチェーン技術を使う仕組みで、仮想通貨の取引方法とほとんど同じものと言えるでしょう。

つまり、
  • 蓄電池を持たない家庭でも、余剰電力を収入に変えられる
  • 余剰電力を近隣の誰かに売ることができる
  • 余剰電力を家族など、特定の相手にプレゼントできる
  • 再エネ賦課金の負担が減り、電気料金の増加が抑えられる

最近のニュースでは、さまざまな企業の新しい取り組みが発表されています。
今後も市場が活発化していくことが予想されます。


<参考ニュース記事>
丸紅、スタートアップと新会社 太陽光買い取り』(日本経済新聞,2018/11/7)
太陽光売電でポイント取得 イオンと中部電、新サービス』(朝日新聞デジタル,2018/11/15)


まとめ

2019年問題というと難しく聞こえますが、太陽光発電のより良い活用を考えるチャンスが到来したとも言えます。

この問題が解決できれば、太陽光発電の将来の可能性は大きく広がり、再生可能エネルギーはこれから私たちの家計の助けとなり、将来電力の主力となっていくことが可能です。

日本政府も再生エネルギーの拡大のために大きな目標を掲げていますので、今後の動向を掴むと共に、私たちも常に最新情報を取り入れて発信していきたいと思います。