トランス君の太陽光講座 詳細

投稿日
2019年5月25日

【トランス君講座】日本の電力消費量はどのくらい?日本の電力事情を分かりやすく解説します!

    前回のトランス君講座では、日本の電力の歴史と現状をご紹介しました。今回は日本の電力事情として、電力をどれだけ消費しているのか説明するよ

    日本のエネルギー需要について

    夜でも周囲を明るく照らす照明、離れている人への連絡も容易にした携帯電話。現代を生きる私たちの使うエネルギーの大部分は今、電気になっていると言えるでしょう。

    今の時代、家庭でも企業でもなくてはならない電力消費。 今回は日本における電力消費の説明をしていこうと思います。

     

     

    日本の電力消費量割合

     

    (出所)

    ①経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」 ②https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2018pdf/whitepaper2018pdf_2_1.pdf

     

    電力消費は1973年度から2007年度までの間に2.5倍に拡大しました。

    その後、2008年の世界的金融危機の影響で生産が低迷し、企業向けを中心に電力消費が減少に転じました。さらに東京電力福島第一原子力発電所事故を発端に、電力需給がひっ迫する中で電力使用制限令の発令や節電目標の設定で、2011年度は前年度よりさらに減少しました。

    産業部門での消費量は依然として高い割合を占めていますが、電力消費の増加は長期的に見ると業務他や家庭といった民生用消費によって強くけん引されてきました。 事務所ビルの増加や、経済の情報化・サービス化の進展を反映したオフィスビルにおけるOA機器(Office Automatic機器。ファックスやコピー機など)の急速な普及による業務他部門の電力消費増加。

    そして家庭部門では、生活水準の向上などにより、エアコンや電気カーペットなどの冷暖房用途や他の家電機器が急速に普及し、その電力消費は2005年度まで拡大する傾向を維持しました。

    その後、機器保有の飽和や省エネルギー家電のシェア拡大などにより、消費は横ばいとなりますが、これらの機器の普及により、電力消費は業務他、家庭での消費で2016年度には62%を占めました。

     

    需要ピーク

    電気は大量に貯蔵しておくことが難しいため、一時も供給が足りなくなることが無いよう、需要のピークに見合った発電設備が必要となります。

    そのため、電力需要のピークとピーク以外との需要格差が拡大するほど、常時動く電力供給システムとピーク時以外動かなくて良い電力供給システムが存在するようになります。

    そうすると発電設備の利用効率などが悪化し、電力供給コストを上昇させることになりますが、こうしたことを緩和するための電力の負荷平準化(平均化)対策は、電力需要の急激な増加に伴う電力供給上のリスクを軽減し、電力供給システムの安定化、信頼性向上にも寄与することになります。

     

    停電の少ない国 日本

     

     

     

     

     

     

     

     

    電気の品質を図る目安の一つとして、停電時間と停電回数があります。

    この停電に遭う頻度が少ないほど安定した電気が供給されている状態という目安なのですが、日本ではこの停電度は極めて少なく、世界トップ水準を維持しています。

    この要因は、電気事業者による発電所の安定した運転、送配電線の整備や拡充に努める一方、最新の無停電工法の導入、迅速な災害復旧作業などによる事故停電の発生回数の減少、発生した場合の1事故当たりの停電時間の短縮に取り組んでいることによるものと考えられます。

    具体的には、2016年度の低圧電灯需要家1軒当たりの年間停電回数は0.18回、停電時間は25分となりました。

    電力の価格動向

    電気料金は、石油ショック後には当時石油火力が主流だったこともあり急上昇しましたが、その後は低下傾向となりました。 1994年度から2007年度までの間において、単純な比較では約2割低下しました。

    (出所) ①経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」 ②https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2018pdf/whitepaper2018pdf_2_1.pdf

     

    2008年度は、原油価格の高騰などにより、電気料金が比較的大きい幅で上昇しました。

    2010年度には原油などに燃料価格の低下で、2007年度水準まで戻りましたが、2011年度には原子力発電所の稼働停止、燃料価格の高騰などに伴う火力発電費の増加の影響などにより、再び電気料金が上昇しました。

    2015年度以降は燃料価格の低下に伴う火力発電費の減少により、電気料金は低下。2016年度もさらに低下しました。

     

    まとめ

    電力の消費は現代社会を生きる私たちに必要不可欠なものです。

    日本では、そうした需要のすべてに答えられるよう、あらゆる時間帯で安定した電気の供給を可能にしており、停電などのない安定した供給力は世界でもトップクラスです。

    しかしながらそうした需要のために多くの火力燃料を使用しており、これらの燃料の価格動向によって電気の価格が変化しやすいという弱点があります。

    太陽光の価格も安定して下がってきているので、今後に期待しましょう!