トランス君の太陽光講座 詳細

投稿日
2019年5月11日
更新日
2019年5月14日

【トランス君講座】日本のエネルギー供給量の割合から、日本の電力を支えているエネルギーの歴史と現状を学んでいこう!

    前回のトランス君講座の中で、日本のエネルギー自給率(2018年)をご紹介させて頂きました。
    今回は、そのエネルギーの歴史と現状について学んでいこう!


     日本のエネルギーの供給について

     ここ数年、世界のエネルギーや発電に関する状況は様変わりしました。生活への便利さだけでなく、環境、地球そのものへの影響を考える機会が多くなり、その中で発電の供給割合は日本でも変化してきました。
     主要電源としてとして火力発電に依存していると言われる日本。
     その背景に何があったのか、見ていきましょう。


     日本のエネルギー・供給量の割合

    (出所)
    ①経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」
    ②https://sustainablejapan.jp/2018/07/19/electricity-proportion/13961

    この推移により、日本の発電の歴史が垣間見られます。発電の主要電源は、
    ●~1965年:水力
    ●~1973年 第一次オイルショック:石油
    ●その後:石油に変わって石炭やLNG(液化天然ガス)、そして原子力が担っていきます。
    ●2011年 東日本大震災以降:原子力発電の割合が一気に低下
    ●その後:その穴の大半を石炭・LNG(液化天然ガス)がカバーしております。

     2016年の時点で割合がもっとも大きなLNG(液化天然ガス)で42.1%、さらに石炭と石油を合わせた火力発電で、実に83.8%を占めています。原子力発電所の相次ぐ稼働停止により、もはや火力発電に依存していると言われても仕方ない状態と言えます。

    さて、ここからは各電力それぞれに注目していきましょう。



     水力発電

     水力発電はダムや河川などの水の流れを使用した発電方式となり、1960年代からほぼ変わらない発電量を記録しています。
     水力発電は、維持コストが低く、CO2排出のない自然エネルギーの活用ができることがメリットとして挙げられますが、その反面、ダム建設の初期費用が莫大であること、そしてダムを作ることによる環境、生態系破壊への影響などがあり、大規模な工事となるダム建設には慎重になることが多く、発電源として安定しているにも関わらず、その規模は伸び悩んでいます。


     火力発電



    ◆石油
     日本の火力発電は当初は石油が主要燃料でしたが、その主要燃料は徐々にLNG(液化天然ガス)や石炭に変わっていきます。
     高度経済成長期以降、石油は発電の燃料としてではなく、車のガソリンとしての需要がメインになっていったこと、そして何よりも、石油ショックが起こったことが原因です。
     こうした世界情勢に影響を激しく受ける石油による発電に依存するリスクを考えた結果、絶対に安定した基盤とは言い難い石油は発電の主要燃料としては、用いられなくなっていきました。

    ◆石炭
     全体でも3割を占める石炭による火力発電ですが、この燃料となる石炭は現在、ほぼ100%が輸入石炭となっています。火力発電に依存していながら、石油に続き、石炭も輸入に頼っています。
    しかしながら日本に石炭が無い訳ではありません。
     日本はかつて石炭大国でした。機関車や工場の燃料など、大量の石炭を生産していました。ところが戦後、液体で輸送利便性が高く熱変換効率も高い石油と、安価な海外石炭に市場は押され、国産石炭は競争力を失いました。
     結果、800近くあった炭鉱は閉山が相次ぎ、現在は釧路炭田が国内唯一の坑内掘りの炭鉱となっています。

    ◆天然ガス
     ガスと言えば、今でもお風呂やガスコンロの燃料として多くの家庭で消費されています。このガスは都市ガスとして家庭で使われているほか、発電にも多く使われている燃料なのですが、一体どれだけのガスが発電のための燃料として使われているのでしょうか?
     実は、そのほとんどが輸入で手に入れたガスであり、全体のガス燃料のうち、都市ガスとして使用されるガスは3割程度しかなく、ほとんどのガス燃料は、火力発電に回されています。
     想像しただけでも凄まじい数値だということが分かります。火力発電に使われているガスは日本全国の家庭で消費される全ガス消費の2倍以上を消費していることになるのです。


     原子力発電



     東日本大震災後に原子力発電所は稼働停止が相次ぎました。
     原子力発電はよく、発電コストが安いと言われますが、一概にそうとも言い切れません。

     確かに、発電作業そのものには、最終処理などを含めても、火力発電に使う発電コストより低くなっておりますが、一方で事故が発生した際の対策費用や社会的損失費用が考慮されておらず、簡単に言えば、事故すれば甚大な被害は免れないと知っていながら、事故が起きないことを前提に発電コストを定めていると言ったところです。
     日本政府が原子力発電を推進する背景には、日本の原子力発電産業の振興なども含まれておりましたが、東日本大震災以降、原子力発電への期待が大きく下がる原子力発電を主要電源とした政策は難しい部分があると言えるでしょう。


     再生可能エネルギー

    風力発電



    太陽光発電


     

    「未来のエネルギー」と呼ばれてきた再生可能エネルギーですが、この定義は外国を含め、非常に揺れ動いています。経済産業省は再生可能エネルギーとして、太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電、潮力発電、水力発電などすべてを含んだものとして扱っています。
     日本の再生可能エネルギーは、比較的高いコストで計算されているため、導入に遅れを取ってきました。しかしながら、近年諸外国でも、再生可能エネルギーの導入は積極的に進められており、技術進展などにより世界的にコストは減少しています。



     まとめ

     現在でも、日本では火力発電に依存した電力供給状態が続いていますが、再生可能エネルギーのコストは年々減少の傾向を見せており、今後も各国が積極的に導入を進めていくことが予想されます。
     電気というエネルギーが、自然を汚したうえに成り立つ存在にならないように、環境を意識したエネルギー運用を考えていかなかればいけません!
     弊社もその一員として、日本の明るい未来を作っていきます!!