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投稿日
2019年3月4日
更新日
2019年4月20日

未来型農業~いちご植物プラント~

突然ですが、みなさんは“植物プラント(植物工場)”という言葉をご存知でしょうか?
植物プラントとは、“内部環境をコントロールした閉鎖的または半閉鎖的な空間で植物を計画的に生産するシステムである。植物工場による栽培方法を工場栽培と呼ぶ。”(引用:wikipedia)

弊社とお取引させて頂いているNTTスマイルエナジー様が、この植物プラントでいちごを栽培されているということで、先日取材に行ってまいりました!
今回はその様子をご紹介いたします。

いちご植物プラントの誕生

株式会社NTTスマイルエナジー、西日本電信電話株式会社、いちごカンパニーの3社が協業し、NTT西日本の保有ビルの空きスペースにNTTスマイルエナジーのIoT技術と、いちごカンパニーの培ってきた植物プラントに関するノウハウを活かしたいちごプラントを建設しました。


いちご植物プラントの様子

いちご植物プラントはビルの屋内の一角に、隔離された状態でありました。
プラント内はとても明るくクリーンで、近未来を思わせるような環境でいちごが栽培されていました。



いちごの苗を多段に分けて植えることにより、生産性を上げているそうです。
植物プラント内の温度や照度はデジタル管理されており、私たちが訪問した際には中には人はおらず、受粉の為のハチが飛び回っているだけでした。
実際にこちらの植物プラントで収穫したいちごを試食させて頂きましたが、市販のものと遜色ない味わいでした!
色見もきちんとしていて、甘みもしっかりと感じました。


では次に、日本の食農問題について少し取り上げてみようと思います。


日本と食農問題

みなさんもご存知の通りかと思いますが、現在日本の農業従事者の人口は毎年減少し、それと同時に高齢化が進んでいます。

農林水産省の統計によると、平成22年の農業就業人口は約260万人、うち65歳以上が約160万人(全体の約60%)でしたが、平成30年には農業就業人口は約175万人(▲85万人)、うち65歳以上が約120万人(▲40万人、全体の約70%)となっています。
農業就業人口は減少していますが、65歳以上が占める割合は年々増加しているのが改めてよくわかりますね。



また農業就業人口減少のほかにも、食料自給率の問題もあります。
平成29年度の日本の食料自給率は38%で、他の先進国と比べて低い水準にあります。
※食料自給率とは、自国で消費する食料のうち、自国でどれだけ生産しているのかを表しています。

日本の食料自給率が38%ということは、残りの62%を海外からの輸入等に頼っている状態ということになります。



植物プラントが救世主となるのか

日本の食農問題について少し触れましたが、ではこれらの問題を植物プラントがどのように解決してくれるのでしょうか?

農業従事者の人口減少と高齢化

農業は若者から敬遠されているのは、”365日休みがない”、”天候に左右される”、”安定した収入が得られるのか不安”など農業へのマイナスイメージが強く影響しています。
それが植物プラントへと変わったならどうでしょう?

植物はデジタル技術により生育に最適な状態にコントロールされ、いちいち人間が手を加える必要はありません。また、屋内で栽培す為、天候の影響も受けることなく、安定して収穫することが出来ます。
実際NTTスマイルエナジー様のいちご植物プラントでは、いちごを年中生産しており、毎日収穫しているとの事でした。
また、生育状態がコントロールされていることにより、他に仕事をしながら、農業をすることも可能ではないかと思われます。


食料自給率

先に紹介しました通り、日本の食料自給率は世界的に見て低い水準となっています。食料自給率が低いとどういう問題が発生するのか—まず考えられるのは、海外からの食料輸入がストップした場合に私たち国民の生活を維持できなくなる危険性があります。

そこで植物プラントを導入することで、安定的な収穫ができ、世界的な自然災害や飢饉に影響されることのない生産システムを作りだす事も出来るかもしれません。
また、自国の食料を自国で消費する(地産地消する)事で、輸送コスト削減できます。それに加えて二酸化炭素の排出量削減と、環境問題対策という面でも良い影響を及ぼすのではないかと考えられます。



おわりに

今回、植物プラントのレポートと我が国日本の食農問題について絡めてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
植物プラントはまだ発展途上で導入費用が高いなどの問題もありますが、近い将来日本の農業をより良くしてくれる存在であることは間違いないかと、NTTスマイルエナジー様へ取材に行って実感しました。
弊社で植物プラントを導入する計画は今のところ不明ですが、太陽光発電を利用して何かやれることがあると思いますので、様々な方法を模索していきたいと思います。

追伸:いちご植物プラントで収穫されたいちごは、大阪のあべのハルカス近鉄本店の洋菓子店で使用されているようですので、機会がある方はぜひ探してみてください。